今、日本はかってない教育の危機の時代といわれています。

 昨年7月の「子どものデジタル環境に関する意識調査」によると、小学生では平日6時間、中学生では平日7時間もスマートフォン等の電子機器を使用しています。また、近年の博報堂の調査では、子ども達の欲しいもののベスト3として「1位、お金」、「2位、いい成績」、「3位、時間」という驚く結果であります。そして今日、子ども達の放課後の世界に体験格差が生まれ、そのことが学力格差も生み出しているといわれ、子ども達の「育ちの環境」は私達大人の経験・体験からすると大変憂慮すべき状況であると思われます。

 他方、私達の居住しているこの日本の国は、世界に冠たる森の国であり、その恵みを豊かに蓄えた肥沃豊饒の瑞穂の国でもあります。「農業は教育の原点」という言葉がありますが、「農の営み」に何らかの教育力をイメージした元祖はJ.J.ルソーだといわれています。

 

NPO法人 子ども未来研究機構

理事長   古 川 泰 通

 そこで、私達は26年度に、子ども達にとって「徳育・食育の救世主」としての可能性を大いに秘めている通年型の農業体験活動を、小学校区の社会貢献活動に意欲的な地域諸団体や、地域企業、篤農家などの地域コミュニティが中心となり、自主的な運営・指導体制を構築しながら持続的な展開が、可能なプログラムの調査研究に取り組みました。

 具体的な展開イメージとしては、毎年3月から12月まで月2回の18日程度、1日約2時間、保護者も一緒に「生命の根(イノチノネ)」といわれる稲作はもちろん、多彩な春夏野菜、秋冬野菜などあくまで地域の特性を踏まえた通年型の体験活動であります。

 その主役は、小学生の児童であり、本来親や先生から、あるいは地域の方々からも、愛情いっぱいに育てられる側の子ども達が、この体験活動では逆に、自分よりもはるかに小さい「種」から「収穫」まで、自分が育て上げる立場で、長い時間面倒を見なければなりません。このような体験活動を通して、子ども達は必ずや「小さな生命を思いやる心」、「収穫時の達成感・成功感」、「天候等の自然との折り合い」、「食べ物の大切さ」、「感謝の心」など多くのエッセンスを学び取ることが出来ると思います。

 私達は、「子どもの未来は日本の未来」という想いで「生命を粗末にしない、健やかで思いやりのある豊かな人間性、そして生きる力を身に付けた、自立心旺盛な逞しい子ども達」に育って欲しいと切に願っています。この取り組みが内外の多くの子ども達の「徳育・食育の向上」の一里塚になれば望外の幸せです。

 何卒、子ども達の未来のために、心ある皆様の絶大なるご支援ご協力をぜひとも、賜りますよう心からお願い申し上げます。

                                            

                                            平成27年3月8日                                                                                                                                                                                                            

      コロナ禍、設立10年目に無念のNPO法人活動を終了、今後はこれまでの先駆的

    で貴重な活動実績を、私のライフワークとしてHPを更に充実しながら啓発・広報等を継続

  春爛漫の候、新型感染症コロナウィルスのパンデミックに伴い、オリンピック史上初めての開催時期が1年延期された東京オリンピックがいよいよ開催間近に迫り、聖火リレーが世界中の「期待と不安」が交錯する中、日本各地で執り行われている今日ですが、HPを御覧戴いている皆様には御変わりなく御健勝にてお過ごしのことと拝察致します。

  私達のNPO法人子ども未来研究機構は2,011年の未曽有の大災害「東日本大震災」の翌年2,012年6月3日熊本市役所14階展望レストランにおいて、志を同じくする仲間が相集い創立総会を開催して、現代の子ども達の多くの社会課題に細やかながら貢献したいという使命感を持ってスタート致しました。

  11月の「設立記念シンポジウム」の結論を基に、2013年の「通年型農業体験活動プログラムについて」のシンポジウム、2014年は月例研究会が10回にも及ぶ「体験活動プログラムの開発研究会」を開催して「通年型農業体験活動プログラム」の策定、2015年はこれまでの総まとめとして、「教育の原点としての農業」を提唱されている科学者でJT生命誌研究館館長の中村桂子先生に御来熊戴き「徳育・食育フォーラム」を開催致しました。

  また新たな視点から2018年・2019年には「親子で楽しもう!くまもと論語塾」を開催して「他者への思いやりの心」「規範意識の低下」などが課題視されている現代の子ども達に、「心に響く、素晴らしい論語」を親子で学んで頂きました。

  一方、設立の翌年2013年から、西区池上小の児童を対象に徳育・食育に資する通年型農業体験活動を先行して取り組み、2014年の「通年型農業体験活動プログラム」策定を機に2015年からはプログラムに沿った体験活動として、年間20日程度親子で「種から収穫」まで自分達が責任を持って、小さな生命を育て上げる活動を2016年の4月14日16日の震度7の熊本地震にも怯まず頑張ってくれました。

  しかしながら、2020年当初、全く思いも寄らなかった中国武漢発の新型感染症コロナウィルスが世界中を翻弄し、これまでのパラダイムの転換を余儀なくされ、全てがリセットされた状態になってしまいました。

当然、私達の活動も子ども達のコロナへの感染を極力回避する活動にしなければ子ども達の安全安心は確保できません。従って、あくまで私達の活動対象は子ども達であり、役員・スタッフ一同の総意として設立10年目を迎える節目の本年4月14日、誠に無念ではありますがNPO法人活動の終了を決断することになりました。

  今後は創業者としての私のライフワークという新たな思いで、三千年以上前の『東洋最古の書「易経」』に児童・少年時代の実践道徳のすすめとして、物を育て上げる徳「果行育徳」を奨励している、根源的で本質的な可能性を秘めた「通年型農業体験活動」を、今後取り組むような内外の地域や諸団体等と協力・連携し、教育政策や地域政策という観点から行政庁等への要請を重ねながら、この先駆的で貴重な活動実績を引き継いで行く所存であります。

 

                                                     令和3年4月14日

                                                  NPO子ども未来研究機構

                                                  代表  古 川 泰 通